コロちゃんのおかしな日記

アコギなソロギター演奏可。働いて、子を育て、えんやこらさ。

冬のシェリフ回想2

「湘南のレジェンドバンドで、シェリフというバンドの人たちがいるんだけど、一緒にやってみないか」

そう、ヤマトさんに声をかけられて、シェリフのバンドメンバーと初めて会ったのが、2012年、藤沢のとある居酒屋。暑い夏が近づいていた頃でした。話が前後しまくりますが、僕がシェリフに加入した時のお話です。

 

声をかけてくれたヤマトさんは、堀尾先生のライブで繋がった友人で、最初に出会ったのは、当時、横浜の六角橋にあったココペリ亭というライブステージがあるカフェでした。人見知りの僕にも気さくに話しかけてくれるヤマトさんは、住まいも同じ市内だったので、その後も色々と仲良くさせてもらっていました。

 

ヤマトさんは、あちこちから引く手数多の名ドラマーで、何個もバンドを掛け持ちされていますが、その中に大学の時の先輩後輩という関係で結成された、『ミモレッツ』というバンドがありました。そのミモレッツでベースを弾いていたのが、シェリフオリジナルメンバーのベーシスト保坂さんだったのです。

 

そんなわけで、僕のシェリフに加入するきっかけは、保坂さん、ヤマトさん、僕、という繋がり、からでした。2012年5月に、猪俣さんが在籍していたコンドルズとシェリフ。二つのバンドのベスト盤が日本コロムビアから発売されます。このタイミングで、バンドを更に盛り上げて行こう、ということで、新メンバー加入の話が上がったのでした。

 

ドラム、キーボード、サイドギター、を新たに加えての、はじめてのバンド練習が、藤沢の某スタジオでありました。シェリフのオリジナルナンバーを中心に、『白い珊瑚礁』などの懐かしいグループサウンズの曲も数曲合わせました。今でも思い出しますが、この時の僕は、自分はサイドギターで、ちゃんとリズムを出して、皆さんの足を引っ張らないようにしなければ、と、ひとりスーパーど緊張の中、ギターを弾きました。

 

何だか分からないうちに、あっという間に終わったスタジオ練習。手応えがあるとか、ないとか以前に、自分がここにいても良いのだろうか、というくらい、萎縮して、おとなしく、小さな、小さな音でギターを弾いていました。そんな僕を見兼ねてか、数日後、ヤマトさん経由で、保坂さんから呼び出しがありました。

「どうもさ、緊張し過ぎのようだから、近いうちに一度、3人で一杯やんない」

 

夏の終わりの9月でした。ヤマトさんの住んでいるマンションで、保坂さん、ヤマトさん、僕、の3人で、各自でお酒やツマミを持ち寄っての飲み会が開かれました。大先輩の保坂さん、

「これ、会社の仕事で作ってるレタス、二人に持って来たから食べて」

から始まり、それぞれ好きな音楽の話や、保坂さんとヤマトさんのバンドの思い出話などで、話に花が咲いていきました。

 

テーブルを3人で囲っての近距離でしたが、目の前にいる保坂さんは、有名な日本コロムビアからメジャーデビューされてて、何十年も現役でプレイされてるベーシスト。僕のような何の実績もない人間が、対等に話せしていいワケがない、と今、考えてみると、遠慮し過ぎの何とも小さい人間だったのか、と自分にがっかりなのですが、そんな僕に、保坂さん。

 

「え、T・レックス好きなの?弾いて、弾いて」

 

は、はい。ジャージャジャ、ジャジャー、ジャージャジャージャー(20th century boyのイントロ)

 

「イエー!いいじゃん、いいじゃん」

あ、あはは‥。

 

音楽とお酒の力は不思議なものです。最初、保坂さんとの間に感じていた壁も、いつのまにかガラッと崩れていて、気がつくと、3人でぐでぐでと、仲良く、ただの酔っ払いになっていました。お酒の勢いで調子に乗ってた僕は、こんなのも出来ます!と、習ったばかりの堀尾先生のレパートリーも弾いたりします。その度に、

「いいね、いいね!」

と保坂さん。

 

今思うと、そうやって打ち解けて楽しく過ごせていたのは、音楽と、お酒の力よりも、保坂さんの、人への気遣いや、そのお人柄のおかげだったように思います。飲んでいて、何だか部活の先輩、後輩、の関係みたいな不思議な気持ちになっていきます。軽音楽部とかって入ったことはないのだけれど、きっとこんな感じだったんだろうな、と思う、楽しい時間でした。

 

最初、にこやかで紳士的だった保坂さんも、お酒が入ってくると、

「だからなぁ、お前はもっと前に出なきゃダメだぞ!」

と、段々と口うるさい先輩に変身されていました。そう大先輩に言われる度に、

「はい。そうですよね、すみません、ありがとうございます!」「がんばります!」

と、素直に答えていたのですが、何度も聞かされてて、最後の方の僕は、もう夢うつつの状態でした。

 

保坂さん、本当にバンドが、人が、好きな人なんだな。‥僕自身のバンドに対しての気持ちも、自然とやる気スイッチが入ってきているのを感じていました。何だかよく分からないけど、この人とやって行けたら、楽しそうだな、熱があり過ぎて、ちょっと暑苦しいところもあるけど、いい先輩だな。だいぶと酔ってはいましたが、今でも思い出します。

 

「市成〜、もっと前に出ろよ〜」

 

これが保坂さんとの最後の飲み会でした。

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【お知らせです!】

湘南シェリフ、約2年ぶりのニューシングル!トリプルA面『湘南サマーブリーズ/ひとりの悲しみまた逢う日まで

↓公式ホームページよりご視聴いただけます。

https://columbia.jp/artist-info/sheriff/

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【自己紹介】

今回もお読みいただきありがとうございます。ギタリストのコロ助です。

 

『湘南シェリフ』(日本コロムビア)というバンドでギターを弾いたり、声優の森田樹優さん(Qちゃん)と『コロQ』で絵本読み合わせライブをしたり、日本屈指のギタリスト堀尾和孝先生直伝のアコースティックギター1本でのエンターテイメントライブ『アコギ一本勝負!』をしたりしています。

 

橋本アリオのセブンカルチャークラブでギターとウクレレの講師もしています。

 

サラリーマンしながら音楽活動と子育ての両立に、楽しくも悩ましい日々を過ごす毎日です。

 

湘南シェリフ(日本コロムビア

https://columbia.jp/artist-info/sheriff/

PV『湘南レイニーデイ』

https://youtu.be/atgO642Q6eE

PV『湘南サンセットビーチ』

https://youtu.be/nLyhosPIQ8Q

PV『シーサイドロマンス』

https://youtu.be/oUZ5cGB_U1c

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コロQ(森田樹優さんとの絵本読み合わせユニット)

森田樹優さん

https://note.com/qtikki

 

アコギ一本勝負!お師匠様

堀尾和孝先生

https://holiokazutaka.wixsite.com/kazutakaholio/home

 

セブンカルチャークラブ橋本

ギター&ウクレレレッスンやっています。

https://cul.7cn.co.jp/categorys/category_346.html

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